チャラめ男子と鈍感女子
結局あの後、30分ほど開会式が続けられた。
しかも今日は憎いくらいに雲ひとつない晴天。
それで気温も高めな訳で...
「日射病になっちゃうっての」
暑さでグラウンドに蜃気楼が見えてるし。
「あ、あの。片瀬さん、これどうぞ...」
そう言ってエミリーから手渡されたのは、紙コップに入ったお茶。
「ありがとう、エミリー。何円だった?買ってきてくれたんでしょ?」
俺が財布からお金を取りだそうとすると、エミリーによって遮られた。
「う、売り物じゃないんです!今日はお茶が設置される事になってるんですよ」