チャラめ男子と鈍感女子


「あのさ、一個聞いてもいいかな?」


「何なにー?」


「生徒会の女の子の手、掴んだのは...なんで?」



まさか、そんな事聞いてくるとは思わなかったんだろう。


その言葉を言った瞬間、三人が三人とも固まる。



「つ、掴んでなんかないよ!あれは偶然当たっただけで」


「そうだよ!私達も見てたんだから!」



...なるほどねー、俺みたいに疑う奴が出てきたら、三人でしらばっくれる気だったって訳か。


素直に話してくれないかって、ちょっぴり期待したんだけどなぁ?



「そっか、偶然なら仕方ないよね?変な事聞いてゴメン...
でも、今度エミリー...えみりに手ぇ出したら許さないから」



自分でも驚くほどの低い声。


滅多に人にキレた事なんてない、ましてや女の子になんて論外。


何してんだか、俺...


自分らしくない行動の数々に動揺が隠せない。


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