チャラめ男子と鈍感女子
「......」
「ねぇ、慎也くんって僕の事嫌い?嫌われちゃってたりしてる?」
終始無言の七瀬先輩に対して、ずっと俺に話しかけてくる翼。
もうすでに、こんな状態が数十分は続いている。
「あぁ、俺はそろそろ...」
もう耐えらんないっと手をかけた...だけのドアが勝手にスライドしていく。
「か、片瀬さん!びっくりしたぁ...」
ドアを開けたのはエミリーで、俺が目の前にいた事にかなり驚いたようで...
「え、エミリぃ~!」
でもそんな事は気にしてられない俺は、現れたこの子が救いの女神にしか見えなくて、エミリーに抱きついた。