チャラめ男子と鈍感女子
俺が声をかけると、エミリーは肩を少しビクつかせた。
「あっ、片瀬さん...」
ゆっくりと振り返り、エミリーが口を開いた瞬間飛び出してきた黒い物体...
あれは、猫?
「あぁ、行っちゃいましたぁ」
「俺が声かけちゃったからか、...ゴメンね?」
エミリーの残念そうな顔を見たら、申し訳なくなって咄嗟に謝る。
「いえ、またここに来たら会えると思うので」
「へぇ、そうなんだ。野良?」
「首輪を着けているので家猫かと...。黒い子猫で鳴き声が可愛いんです」