チャラめ男子と鈍感女子
「片瀬さん...ありがとうございました」
顔を向けると、申し訳なさそうなエミリーが俺を見ている。
それはまるで捨てられた子犬のような感じで...
「別に、大したことじゃないから...」
しっかりしないと位は言おうと思っていた気持ちは完全に削がれ、
軟弱な俺はそんな事しか言えなかった。
「私が言っても聞いてくれなくて...
マネージャーさん達の見る目も怖いですし...」
エミリーがちらりと目を向けた方向には、物凄い形相でこっちを睨む女の子達が。
怖っっ!!
日頃から女の子は可愛いと豪語してきた俺にとって、初めて女の子が恐ろしく感じた瞬間だった。