チャラめ男子と鈍感女子
結局、あの子達がエミリーに何の用があったのかさっぱりなんだけど...
「あの四人組って運動部じゃなかったはずだよ?まさか合宿所まで追いかけてくるとはね~」
エミリーの去っていった方向を見ていた俺の背中に寄りかかりながら、翼が喋りかけてくる。
コイツの事だから理由くらい知ってるんだろうけど...
聞いても絶対答えないな。
「何?」
相も変わらないニヤニヤした顔で翼は俺と視線を交わらせた。
そのニヤケ顔に若干のイラつきを感じた。
...若干かな?いや、大分か?
「何でもないし。つーか重い、どけ」
頭の中で今考えていた事を打ち消すと、未だ寄りかかる翼を振り落とした。