覚悟はいいですか
「紫織さんて、何者ですか?」
「?」
ジョルジュさんが呆然としてこぼす
普通にご挨拶しただけなんだけど…
「いや、彼女は人の気持ちとか本質を敏感に感じる性質(たち)だから。百鬼の誠意が伝わったんだろう」
礼はそんな風に私のこと見てたの?ちょっと嬉しい…
って、そうじゃなくて!
「あの、そもそも皆さんはどういった方なんですか?ボディーガードのお話はありがたいのですが。
実は私の会社にも自衛組織があって、必要なら身辺警護もしてもらえますし…」
そう、
Athenaにはガーディアン(Guardian:守護するもの)という自衛集団が組織されている
詳細は会長しか知らないし、表で目立つようなことはしない。社員、なかでも華は何かと狙われることがあるから、何かあればボディーガードに付いたり、昨日のような会場警護をすることもある
これも女性の多い職場であることと、力でかなわない理不尽から女性を守り、実力を発揮させたいと願う織部会長の心意気だ
だからわざわざボディーガードを頼まなくてもいいと断ろうとしたが、礼の考えは違っていた