覚悟はいいですか
「山口さん、あなたに関しては私達とガーディアン側の目的は一致します。もし、可能であれば互いに協力して堂嶋に対抗したいのですが。
織部会長かガーディアンの方に、お会いする機会を設けていただけませんか?」
志水さんの申し出に、私はしばし押し黙った
とてもありがたいと思う。そして礼のことも会長のことも私は信じている
でもこれは私個人に関わると同時に、互いの会社にとってトップシークレットに当たる事柄だ
おまけに私には恋愛制限がある。こちらの筋も通さなければ
2年間、後ろ向きに逃げてきたことを反転させる、これは最後のチャンスかもしれない
周りの皆が勇気と力をくれる
皆が私を守ろうと真剣に動こうとしてくれるのだから、私も自分にできるだけのことをして皆に応えたい
「志水さん、ありがとうございます。
連絡は取ることはできますが、その前に確認したいことがあります」
「なんでしょう?」
乗り出す志水さんを制し、礼に向き直る
「礼、あなたに聞きたいこととお願いしたいことがあるの。」