覚悟はいいですか

「ま、今すぐどうこう決めることでもないし、まずは外堀を埋めないと、だよ?」

外堀?
麗奈までおかしなことを言い出したと思ったら、そうではなかった

「あんたの場合はまず織部会長に彼氏を認められること!そして堂嶋と完全に切れること!
それから海棠側にあんたが認められること!

これだけ外堀を埋めるだけでも相当大変なことでしょ!?」

た、確かに…考えるだけで気が遠くなりそう……
思わず遠い目をする私に麗奈はクスっと笑って言う

「でも大丈夫!きっと未来の旦那様が全力でサポートして、ガンガン埋めてってくれるからっ!ねっ!」

片目を閉じてウィンクを投げてきた

いや、麗奈さん…それ私にするの、もったいないです…

でもそんな明るい麗奈の一言で、私も開き直ることができる

そうだね、麗奈
もうこうなったら開き直って前に進むしかない

私も礼もお互いに離れると言う選択肢は端から無いんだもの

千里の道も一歩より!

私は、ありのままでいいと言ってくれた礼を信じて、私にできる精いっぱいを、
やれることをやるだけだ

「まず明日だね、第一の外堀!」

「うん、ていうかもう外堀はいいって」

二人で笑いながら乾杯をする
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