覚悟はいいですか
授業中、隣の人をどうやって休ませようか、頭をひねる


休み時間に入ってすぐ、声をかける

「礼~!今のノート、貸して」

「なんだ?ボーとしてたけど悩み事?」

「失礼ね!低血圧で頭が動かないだけよ。
お昼休みまでにコピーして返すからいい?」

「うん、昼は学食いるよ」

「OK。今なら図書館のコピーすいてるし、今日は私、2限ないから今のうち行ってくるわ。
ついでにコピーするものとかある?」

「あ~……じゃあ、頼んでいい?このファイルが3部ずつ、あとこっちが30部。
あ、図書館行くならこれ返しといてくれると助かる」

「了解。」

「悪いな。」

「ノートのお礼よ、気にしないで」

「結構な量だし、しおには重そうだな。
終わったらメールして図書館で待っててくれ。こっちの授業終ったら迎え行くから」

私は頷いて、預かった書類に付箋をつけてバッグにしまい、建物を出たところで礼と別れた



ほんとはきちんとノートをとってある

面と向かって手伝うと言えば、遠慮するからここは”ついで作戦”

私にできることなんて大したことじゃない

でも彼の負担を少しでもなくしたくてできることを手伝うようになっていた

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