覚悟はいいですか

「父は手放しで喜んでるよ。剣を掴まえるなんてお前は視る目がある、よくやったって」

礼はニコニコしながら話している
何とな~くいろいろ埋められてるかもと思うのは気のせいだろうか…

そこに、徳永氏が間違えようのない決定打を落とした

「大丈夫じゃ。紫織ちゃんは嫁に行っても会社は辞めんでエエ。Athenaの社長になって薫ちゃんの跡をついでもらうからの」

や、やっぱり、聞き違いじゃなかった!
でもそんなこと、急に言われても!!

「ワシが後見につく。もちろん海棠も、そうじゃな?次男坊」

「次男坊はやめて下さい」

御前に突っ込む礼は、やはり大物だ
って、どんどん話が大きくなってませんか?

「そんな、私が社長なんて・・・」

「お二人とも、急ぎすぎないで。全ては紫織さんの覚悟ができてからのことです」

「そんなこと言って、早く薫ちゃんが引退しないと、儂の嫁さんになる前に儂があの世にいっちまうじゃろ」

「御前はそうそう死にません。
それとこれは話が違います」

「イヤじゃ! 薫ちゃんと早く一緒になりたいんじゃ!頼むぞ、紫織ちゃん!!」

ええ~!!!

「御前!そんな、私には・・・」

フルフルと首を左右に振りながら会長に助けを求めて見ると、優しくニッコリ微笑んでくれてほっとした

でもこの微笑みは、敏腕経営者のそれだったと、すぐ気づくことになった……

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