覚悟はいいですか
恥ずかしさとドキドキで、目頭まで熱くなる
瞼にたまる涙を瞬きすることでやりすごしながら、礼から目を離さずに返事を待った
礼はぱっちりした目をさらに大きく見開いたが、口元は何かを耐えるように固く引き結ばれたまま
やがて目を伏せ、何かを飲み込むようにのどが上下する
すっと息を吸いこむと、まつ毛を震わせながらゆっくりを私を見た
一瞬だけ切なそうに眼が揺れて見えたのは、気のせいだろうかーーー
そんな思いがふっと頭をよぎったが、すぐに
彼の表情が全くないことに気が付いた
動揺し始めた私の耳に、礼の言葉が入り込む___
「ごめん、
お前のこと友達以上にはみれない」
頭の中が空洞になったようだ、何も考えられない
あまりのショックに涙も出ない……が、
目の前の彼がまたあの切なそうな目をするのを見て、
ーーー私は瞬時に覚悟を決めた
この恋心に蓋をして、頑丈な鍵をかけることに決めたのだ