覚悟はいいですか
「おまじない?」
急に何を言い出すんだという顔をして首をかしげる
そのしぐさにドキッとしつつも視線を先ほど渡したプレゼントにむけた
「そう、そのためのアイテムがこの袋に入ってるから」
なおもいぶかしげに私を見てから、袋に入れた礼の手が
シンプルなモノトーンのマフラーを引っ張り出した
「これ……」
まじまじと見つめて固まる礼からそれを取り上げると、
素早く彼の首に巻きつける
「いかにも手編みでしょ?
礼のファンなら今朝してなかったマフラー、しかも手編みのものを巻いて帰れば
そこに彼女という幻を見るわ。
これぞ最強の魔除けアイテム!!」
ビシッと指を立て、決めポーズをうった
……あれ?笑いがない………もしかして私に気を使ってる?
しょうがないな……
「もちろん誰からもらったかは絶対に秘密よ。私は彼女じゃないんだから
でも彼女からもらったふりをして大切に扱っていたら、
あきらめないまでもやたらに告白されることは減ると思うの。
……あなたの女友達からの心ばかりのプレゼント、受け取ってくれるわよね?」
少しお姉さんぶってなるべく明るい笑顔で彼に伝えた