覚悟はいいですか

その顔に安堵した私は振り返り、今度こそホームを目指し歩き始める

ひと筋、頬に涙が流れ、それを合図に一気に熱が溢れ出す

次第に嗚咽が漏れ、隣を歩くサラリーマンがぎょっとしていたが
気にしてなんかいられない

ホームでも電車の車内でも、私は顔を両手にうずめ、声をこらえて泣き続けた

家に着くと、自分の部屋へ駈け込んでベッドに突っ伏す



生まれて初めて恋する人を想って泣いた

大声をあげ、失恋の耐えられない痛みを吐き出すようにして私は泣き続けた・・・・・



でも私は知らなかった


彼がなぜ誰とも付き合えないのか、
その本当の理由を____

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