覚悟はいいですか
「うるせえ!!お前一度振って傷つけてんだろ?何また普通に仲良くなろうとしてんだよ!
お前来るって聞いてから彼女不安定になって、綾乃にチョー怒られて大変だったンだからな~」

友和さんは綾乃さんにどんな目に合わされたのか、半泣きになりながら訴え続ける
なぜそんなに耐えてまで彼女に一途なのか、全く理解できないが

「8年前だって・・・
お前が突然いなくなって紫織ちゃん魂抜けたみたいになっちゃうし、綾乃は史上最悪ぶちギレて俺マジ殺されそうになったんだぞ!」

「・・・すいません」『ごめん、紫織』

友和さんに謝罪の言葉を言いながら、心のなかで目の前と違う人に謝った

傷つけた上にさよならも言わず、彼女の前から全ての痕跡を消した8年前が甦る

俺を好きだと言ってくれた
君の気持ちはあのときのままだろうか
それともとうの昔に違う誰かを
思っているのだろうか

たとえ君の気持ちが冷めてしまっていたとしても
俺でない誰かを好きだとしても

もう俺はあきらめない

8年前のバレンタイン
君がくれたマフラーと優しい嘘は
俺にこの恋をあきらめない勇気をくれたんだ

だから覚悟して、紫織

男の10年物の恋慕がどれだけ激しくしつこいか、自分でも呆れるほどなんだ

君を手にいれたい
そのためにどんなことだって乗り越えてきた

だからもう抑えない、決めたんだ


俺は

もう


君をあきらめない

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