覚悟はいいですか

6、星空の告白、月光の誘惑


夜8時ーーーーー

綾乃さんたちはもう寝室にいってしまった
友和さんが礼に飲み比べしようと言い出し、逆に潰されてしまったのだ

今このペンションにいるのは綾乃さん夫婦とキッチンで洗い物をしている私、
そして目の前のリビングのソファで寝ている礼の4人だけ

パーティーは夕方でお開きになり、みんな帰っていった

礼も帰ると思っていたら、車だから酔いをさましてからとここのソファに横になってしまった
やっぱり昼の仮眠だけじゃ足りなかったのかな、と思ったから、片付けの間放っておいたけど・・・

そろそろ本当に起きて帰らないと
明日の仕事に響くんじゃないんだろうか?
そんな心配をしてしまう

私は元からお休みをもらってるから、明日お昼前に出てゆっくり帰ればいい、
でも礼は・・・

ふうっと息を吐いて布巾を片付ける

私が考えてもしょうがないか、もうあんまり心配するのもやめないとね
きっとそういうことは他にやるべき人がいるだろうから・・・

思った途端、チクッと胸が痛んだ

もう一度息を吐き、痛みをごまかすとキッチンの照明をおとす

スタンドが礼の寝顔に陰影を作り、彫像のような美しさを際立たせていた

思わず見惚れていた自分に自嘲の笑みが浮かぶ
頭を一つ振ってふと窓の外を見ると、目を見開いた

「あ・・・・・」

私はあることを思いついて、窓から庭につながるウッドデッキに出た





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