覚悟はいいですか

「まずは着替えかな」

チラッと見て言う

着替え?そしたら一度家に帰らないと

一人自宅のクローゼットを思い返しているうちに車が停まった
礼がドアを開けてくれたので、わけがわからないままに降りると、
目の前に、白い漆喰で波模様を描き、ガラス玉を壁に散らした洋館が建っていた

礼は私の手を取り、『La petite siréne』(人魚姫)と書かれたガラス扉を開けて先に入るよう促す

中はセレクトショップらしく、ハンガーに色とりどりの服が掛けられ並べられていた

え、着替えって言ってたよね、まさか・・・

ありえないと思いながら礼について、店の中央にあるらせん階段を昇ると、
口元にほくろのある背の高い美女が迎えてくれた
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