天狐の守護
「ぁぁあ!待って!ぎ、魏扇!今から魚釣り行こう!魚釣り!ね!?」
天稲荷山には川があり、そこで鮎やヤマメ、ニジマスなどが釣れるのだ。
森に囲まれて育った潤陽は毎日のように森で遊んでいた為、今時の女子とは程遠い女の子に育ってしまった。
それは本人も自覚があるが、少し切なくなる為あまり考えないようにしている。
「はぁ?急になんだ」
「いいじゃん、暇だし」
「はぁ。お前のワガママももう慣れた。陽が落ちる前には戻るからな」
潤陽に甘い魏扇である。
潤陽は魏扇の手を引き、小川のある方へと向かっていく。
手を引かれている魏扇は大変歩きにくそうだった。
「相変わらず仲良いわね…」