天狐の守護
「え?!魏扇さんの団子食べちゃったの!?…って本当だ、空だ」
綾は急いで団子の袋の中身を確認し、ガクッと項垂れた。
「魏扇様は人間というものを毛嫌いしているんだよ。なのに、何故なんだろうなぁ。」
「人間が嫌い…?」
ポツリと呟いた綾に、伊達が話を続けた。
「そりゃそうだ。魏扇様が昔暴れたというのも、人間達が魏扇様に悪をしたからだ。さらにあの神社に閉じ込めたのも、人間だ。さぞ恨んでいるだろうよ。」
「じゃ、じゃあ…」
潤陽を利用して、人間に復讐しようとしているのではないか。綾は直感的にそう思った。