天狐の守護
「なんの話だ」
「きゃっ?!」
綾が叫んだ。
そこには、眉間に皺を寄せた魏扇が居た。
この話を聞いて居たらしい。
「釣りに行ったのでは?」
突然の事に心臓がバクバク鳴っている伊達が魏扇に問いかける。
「潤陽が川に落ちたから帰ってきた。今は風呂に入れている。それと、復讐をするほど器は狭くない。そんな心配をするより潤陽のお転婆をどうにかしろ」
「って、聞いてたんですね…。すみません。でも、何故魏扇さんがこんなにも潤陽をよくしてくれるのか疑問になってしまって…。魏扇さんになんのメリットもないのに」