天狐の守護
「…あの都市伝説が本当に?」
「あぁ。あれは本当だ。潤陽が魏扇の姿が見えるというのは驚きだな。」
母親の綾と伊達おじいちゃんが話している間、潤陽は恐る恐る魏扇の狐耳に手を伸ばしていた。
ふに、と触ると思ったよりモフモフじゃなかった。
でも癖になるこの感触はずっとふにふにしていたい。
「もういいか」
「あ、ごめんなさい!ありがとうございました!」
元気よくお礼を言うと、魏扇は驚きの表情をした。
あまり、お礼を言われることに慣れていないのだろう。
魏扇はあぁ。と短い返事をした。
「あの!…」