天狐の守護
突然、大きな声が響き渡った。
それは、潤陽ではない。そして、伊達おじいちゃんでもなかった。
「あの私、その子の…潤陽の母です。
その子、昔から人ならざる者と波長が合いやすく、いつも辛い思いや悲しい思いをしてきたんです…。伊達おじいちゃんの神社に住み込ませてもらってなんとかマシにはなっているんですけど、それでもやっぱり心配で。
貴方様なら潤陽を護って助けられませんか!?」
「何を言っている綾!魏扇様にそんな無礼な…」
綾は見えない魏扇に必死に話した。
だが魏扇は綾のことをしっかりと見ていた。
そして、伊達に目を向け、口を開く。
「ならば、条件がある」
「な、何でしょうか」
伊達が焦りながらそう問いかける。