王子様に恋する私はシンデレラ?!
エピソード2 二人の王子様
入学式は学園の地下にある大ホールで行われた。
遠くからでも見えるように前のステージ中央を写すモニターもいくつか設けられていて、さすがお金持ち学校という感じだった。
「在校生代表挨拶。現生徒会長 佐伯涼さんお願いします」
「はい」
「「キャーーー!!!」」
「「プリンスーーー!!!」」
在校生代表として生徒会長がステージに登壇すると、女子たちの黄色い声がホール中に響き渡る。
(彼が涼サマか)
明るい茶髪に凛とした顔立ちの彼はその場にいるだけで華がある。
王子とは違ったタイプのイケメンで、彼の方がタイプだという女子も多いだろう。
入学式後は部活と委員会の見学をする時間が設けられており、新入生は自由に見学することができる。
「涼サマの着物姿拝んできます」
と嬉しそうにスキップしながら茶道部へ向かう桜とわかれ、1人サッカー部が活動しているグラウンドへ向かった。
「「王子ーーー!!!」」
「「頑張ってーー!!」」
外に出ると既に多くの女子がグラウンドを取り囲んでいて、黄色い声援があちこちから聞こえてくる。
その中でも一際目立つのが王子への声援だった。
もう一度会うことを夢見ていた王子がグラウンドを囲む女子たちの先にいる。
いざ彼に会えるとなると足がすくむ。
そっと隙間からグラウンドを見ると、王子がドリブルで相手チームの人を次々と交わしている姿が見えた。
(王子だ、、、)
王子の華麗なボールさばきに私を含めその場にいる全員が見惚れていた。
ワーーーッ
王子がゴールを決めると女子たちの歓声がグラウンド中に響く。
部活が終わり、王子が部室のあるこちら側へ歩いて来る。
女子たちは王子を呼びながら、タオルやドリンクなどを受け取って貰おうと必死に手を伸ばしている。
王子は誰からも受け取らないが、その代わりにこやかに手を振りながら女子達の前を通り過ぎて行く。
女子達の勢いに圧倒された私は、少し離れたところで王子に話しかけるタイミングを伺っていた。
王子が部室へ戻るため、私が待っている方向に歩いて来る。
今だ!
「あのっ」
王子が私の目の前を通り過ぎるタイミングで話しかけようとすると、
「あの場所で待ってて」
王子は私にしか聞こえないくらいの小さな声で囁くと、何事もなかったかの様に歩いて部室へ行ってしまった。
私は高鳴る心臓を左手で抑えつつ、『あの場所』へ向かう。
遠くからでも見えるように前のステージ中央を写すモニターもいくつか設けられていて、さすがお金持ち学校という感じだった。
「在校生代表挨拶。現生徒会長 佐伯涼さんお願いします」
「はい」
「「キャーーー!!!」」
「「プリンスーーー!!!」」
在校生代表として生徒会長がステージに登壇すると、女子たちの黄色い声がホール中に響き渡る。
(彼が涼サマか)
明るい茶髪に凛とした顔立ちの彼はその場にいるだけで華がある。
王子とは違ったタイプのイケメンで、彼の方がタイプだという女子も多いだろう。
入学式後は部活と委員会の見学をする時間が設けられており、新入生は自由に見学することができる。
「涼サマの着物姿拝んできます」
と嬉しそうにスキップしながら茶道部へ向かう桜とわかれ、1人サッカー部が活動しているグラウンドへ向かった。
「「王子ーーー!!!」」
「「頑張ってーー!!」」
外に出ると既に多くの女子がグラウンドを取り囲んでいて、黄色い声援があちこちから聞こえてくる。
その中でも一際目立つのが王子への声援だった。
もう一度会うことを夢見ていた王子がグラウンドを囲む女子たちの先にいる。
いざ彼に会えるとなると足がすくむ。
そっと隙間からグラウンドを見ると、王子がドリブルで相手チームの人を次々と交わしている姿が見えた。
(王子だ、、、)
王子の華麗なボールさばきに私を含めその場にいる全員が見惚れていた。
ワーーーッ
王子がゴールを決めると女子たちの歓声がグラウンド中に響く。
部活が終わり、王子が部室のあるこちら側へ歩いて来る。
女子たちは王子を呼びながら、タオルやドリンクなどを受け取って貰おうと必死に手を伸ばしている。
王子は誰からも受け取らないが、その代わりにこやかに手を振りながら女子達の前を通り過ぎて行く。
女子達の勢いに圧倒された私は、少し離れたところで王子に話しかけるタイミングを伺っていた。
王子が部室へ戻るため、私が待っている方向に歩いて来る。
今だ!
「あのっ」
王子が私の目の前を通り過ぎるタイミングで話しかけようとすると、
「あの場所で待ってて」
王子は私にしか聞こえないくらいの小さな声で囁くと、何事もなかったかの様に歩いて部室へ行ってしまった。
私は高鳴る心臓を左手で抑えつつ、『あの場所』へ向かう。