王子様に恋する私はシンデレラ?!
エピソード5 お泊り
最後に運ばれて来たデザートを食べ終わり、ふと時計を見ると8時を回っていた。
「私そろそろ寮に戻るね」
そう言って立ち上がろうとすると、
「今日はここに泊まってよ」
王子に引き止められる。
「えっ」
(王子の家にお泊り!?)
驚く私をよそに、王子は言葉を続ける。
「パーティのことについて相談したいんだ」
(そうだよね。それ以外に私が泊まる理由なんてないよね)
少しショックを受けたが、納得した私は泊まることにした。
王子に連れられ、螺旋階段を上って先程案内された部屋に行く。
「来週、父の会社の創設50周年記念パーティがあるんだ。それについて来て欲しい。その為にレッスン受けて欲しいんだ」
(やっぱり作法とかあるんだ)
「簡単な作法だけだから安心して」
私の心を見透かしたように王子が言う。
「理緒」
「えっ」
下の名前を呼ばれて鼓動が早くなるのがわかる。
「恋人に見える為の練習。僕のことも名前で呼んで」
「れん、、、先輩」
緊張で少し声が震える。
「もう一回。呼び捨てにして」
王子が私に言う。
「れ、ん」
「もう一回」
「れん」
「もう一回」
「れん!」
恥ずかしくなって声が大きくなる。
「合格」
王子が微笑む。
「もう、何回言わせるんですかっ」
王子の人差し指が私の唇に触れる。
「敬語も禁止」
「、、、うん」
彼の指から柑橘系の爽やかな香りがする。
「そろそろお風呂入ろうか」
「でも私、、、」
泊まるつもりなんてなかったから何も持ってきていない。
「タオルと着替えは用意させてあるよ」
「ありがとうございます」
「敬語」
「あっ」
つい敬語を使ってしまう。
「次から敬語使ったら罰ゲームね」
何か企んでいる子供のような笑みを浮かべる。
「一緒に入る?」
「えっ」
「冗談だよ」
慌てる私を見て楽しそうに笑っている王子。
いつもの作られたような王子スマイルとは違う自然な笑顔にドキッとする。
「階段降りて右の突き当たりのドア開けたらお風呂だから。出たら戻って来て」
「わかった。行ってくるね」
(階段降りて右、、、)
突き当たりのドアを開けると広い脱衣所がある。
脱衣所の奥にあるドアを開けてみると大きなヒノキの浴槽があり、お湯は掛け流しになっている。
「わぁ」
また、自然と声が漏れる。
温泉のようなお風呂に浸かり、高級そうなシャンプーとリンスで髪の毛を洗う。
(気持ちイイ〜)
ポカポカに温まってお風呂を出ると、先程脱いでカゴに入れたはずの制服と下着がない。
カゴの中にはバスタオルとバスローブだけで下着のようなものは見つからない。
仕方なく身体を拭いた後直にバスローブを身に付け、髪の毛をドライヤーで乾かしてから廊下に出る。
「湯加減はいかがでしたか?」
廊下にいたメイドさんに声をかけられる。
「丁度良かったです」
「それは何よりです。制服はシワ取りをしたので朝までこちらで預かっておきますね。下着はただ今洗濯中です」
「ありがとうございます」
バスローブ初体験の私は慣れない風通しのよさを気にしつつ、足早に王子の待つ部屋に向かう。
「お風呂ありがとう」
ドアを半分ほど開けてその隙間から王子に伝える。
「中に入りなよ」
王子に促され、恐る恐る王子のいる部屋に入る。
下着を着けていないので、実際は見えていないが王子に裸を見られている様な感覚になる。
温まって赤くなった頬が恥ずかしさで更に赤く染まる。
「じゃあ僕も入ってくるね」
王子が部屋から出て行くと、すぐに鞄からスマホを取り出してルームメイトの桜に電話をかける。
「私そろそろ寮に戻るね」
そう言って立ち上がろうとすると、
「今日はここに泊まってよ」
王子に引き止められる。
「えっ」
(王子の家にお泊り!?)
驚く私をよそに、王子は言葉を続ける。
「パーティのことについて相談したいんだ」
(そうだよね。それ以外に私が泊まる理由なんてないよね)
少しショックを受けたが、納得した私は泊まることにした。
王子に連れられ、螺旋階段を上って先程案内された部屋に行く。
「来週、父の会社の創設50周年記念パーティがあるんだ。それについて来て欲しい。その為にレッスン受けて欲しいんだ」
(やっぱり作法とかあるんだ)
「簡単な作法だけだから安心して」
私の心を見透かしたように王子が言う。
「理緒」
「えっ」
下の名前を呼ばれて鼓動が早くなるのがわかる。
「恋人に見える為の練習。僕のことも名前で呼んで」
「れん、、、先輩」
緊張で少し声が震える。
「もう一回。呼び捨てにして」
王子が私に言う。
「れ、ん」
「もう一回」
「れん」
「もう一回」
「れん!」
恥ずかしくなって声が大きくなる。
「合格」
王子が微笑む。
「もう、何回言わせるんですかっ」
王子の人差し指が私の唇に触れる。
「敬語も禁止」
「、、、うん」
彼の指から柑橘系の爽やかな香りがする。
「そろそろお風呂入ろうか」
「でも私、、、」
泊まるつもりなんてなかったから何も持ってきていない。
「タオルと着替えは用意させてあるよ」
「ありがとうございます」
「敬語」
「あっ」
つい敬語を使ってしまう。
「次から敬語使ったら罰ゲームね」
何か企んでいる子供のような笑みを浮かべる。
「一緒に入る?」
「えっ」
「冗談だよ」
慌てる私を見て楽しそうに笑っている王子。
いつもの作られたような王子スマイルとは違う自然な笑顔にドキッとする。
「階段降りて右の突き当たりのドア開けたらお風呂だから。出たら戻って来て」
「わかった。行ってくるね」
(階段降りて右、、、)
突き当たりのドアを開けると広い脱衣所がある。
脱衣所の奥にあるドアを開けてみると大きなヒノキの浴槽があり、お湯は掛け流しになっている。
「わぁ」
また、自然と声が漏れる。
温泉のようなお風呂に浸かり、高級そうなシャンプーとリンスで髪の毛を洗う。
(気持ちイイ〜)
ポカポカに温まってお風呂を出ると、先程脱いでカゴに入れたはずの制服と下着がない。
カゴの中にはバスタオルとバスローブだけで下着のようなものは見つからない。
仕方なく身体を拭いた後直にバスローブを身に付け、髪の毛をドライヤーで乾かしてから廊下に出る。
「湯加減はいかがでしたか?」
廊下にいたメイドさんに声をかけられる。
「丁度良かったです」
「それは何よりです。制服はシワ取りをしたので朝までこちらで預かっておきますね。下着はただ今洗濯中です」
「ありがとうございます」
バスローブ初体験の私は慣れない風通しのよさを気にしつつ、足早に王子の待つ部屋に向かう。
「お風呂ありがとう」
ドアを半分ほど開けてその隙間から王子に伝える。
「中に入りなよ」
王子に促され、恐る恐る王子のいる部屋に入る。
下着を着けていないので、実際は見えていないが王子に裸を見られている様な感覚になる。
温まって赤くなった頬が恥ずかしさで更に赤く染まる。
「じゃあ僕も入ってくるね」
王子が部屋から出て行くと、すぐに鞄からスマホを取り出してルームメイトの桜に電話をかける。