DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―
曲がりくねった通路を道なりに走った。
少し下り坂だった。
足音の響き方が変わったのがわかった。
ああ、ダンジョンから出られる。
コンクリートの地面に続いていた。
そこに踏み込んで、ひしゃげた鉄筋コンクリートの梁《はり》をくぐった。
そこは暗かった。
足音が反響する。
向かう先はライトがともっている。
おれは、明かりがあるところまで、歪んだ地面のひび割れに引っ掛かりながら走った。
明るいところに出た。
と同時に、地面が揺れた。
背後から暴風が来た。
ガラガラと、重たいものが崩れる音と地響き。
天井がパラパラと破片を降らせる。埃が舞う。
息を詰めて待った。
震動は収まった。
「破砕したんだ。間一髪だったかもね~。みんなどんどん死んでく」