DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―
煥はそっぽを向いた。
そして、バンドメンバーがみんなしてクスクス笑ってるのに気付いたみたいで、ものすごく不服そうに口を尖らせた。
なるほど。こいつ、かわいいゎ。からかい甲斐がある。
文徳と目が合った。
文徳は口を開かなかったけど、心の底から嬉しくて楽しいときの笑い方をしていた。
生徒会長で優等生の営業スマイルじゃない顔って、おれにはわかるから。
弟のこと大事なんだなー、って。
おれはとっさに姉貴のことを思い出した。