DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―


煥はそっぽを向いた。


そして、バンドメンバーがみんなしてクスクス笑ってるのに気付いたみたいで、ものすごく不服そうに口を尖らせた。



なるほど。こいつ、かわいいゎ。からかい甲斐がある。



文徳と目が合った。


文徳は口を開かなかったけど、心の底から嬉しくて楽しいときの笑い方をしていた。


生徒会長で優等生の営業スマイルじゃない顔って、おれにはわかるから。



弟のこと大事なんだなー、って。


おれはとっさに姉貴のことを思い出した。


< 169 / 405 >

この作品をシェア

pagetop