DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―
おれはことさら、へらへらと頬を緩めてみせた。
「四獣珠の件、あっきーで間違いないよ~。あの銀髪のイメージどおり、白虎だ。
しっかし、あっきーって、うらやましいくらいのイケメンだよね。モテるんだろなー。妬けるなー」
さよ子が勢い込んで、おれに顔を近付けた。
「男の人から見ても魅力的な男の人って、本物って感じですよね! 煥先輩って超カッコいいですよねっ!」
そういや、さよ子、ずっこけて廊下に座ったままじゃん。体、冷えるよ。
おれはさよ子に手を差し出した。
「あっきーもカッコいいけどね、おれもなかなかイケてない? 第二候補に、どう?」
「にゅあっ?」
さよ子が変な声を上げたんで、おれは思わず噴き出した。