DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―
後悔と反発がごちゃ混ぜになっている。
掻き乱される胸の内側はどろどろで、ざらざらで、濁っていて汚くて醜くて、情けなくて涙が出そうになる。
電車が駅に到着する音。
お決まりのメロディとアナウンス。
人混みの気配。
文徳のMCが一段落して拍手が起こって、それを断ち切る照れ隠しみたいなタイミングで、次の曲が始まる。
一生懸命に疾走する音に呑まれて、おれのぐるぐる迷走した思考がストップする。
そうだよ。
ガンガン鳴らしてよ、ロックサウンド。
今だけ、悩み事も何もかも忘れさせてよ。