DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―


「ボス級の敵には効かない?」


「宝珠の預かり手は、宝珠を守るチカラを持ってるよね。表に現れる異能だけじゃなくて、

マインドコントロール系に耐性があるとか、ちょっとした予知能力があるとか、えらく勘がいいとか。そういう隠れた能力、あっきーも心当たりがあるでしょ?」



文徳も笑みを消して、声を低くした。



「預かり手じゃない俺でも、ある程度は理仁の号令《コマンド》に抵抗できるし、予知夢なら見るよ。直感が当たることも、人より多い気がしてる。

でも、理仁、そういう言い方をするってことは、敵対しなきゃいけない相手って……」


「しなきゃいけないっていうか、最初っから敵対してんだけどね。おれと姉貴だけならまだしも、

海ちゃんもちょくちょく迷惑をこうむってるらしくて、もうそろそろ逃げ回ってもいられない感じ?」


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