DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―


しんどい話題はそこで途切れた。


注文して五分と経ってないのに、三人ぶんの朝飯が運ばれてきた。


みそ汁の湯気の匂いを嗅いだら、条件反射みたいに、実は腹が減ってたんだなって気付いた。



ファミレスの朝定食では、何となくビミョーに物足りなかった。


おれら三人とも同じで、そんじゃ時間もあるしコンビニでデザート買い食いするか、ってことになって。



掃除したてでピッカピカに磨かれた全面ガラス張りのコンビニの前に、毛足長めのふわふわもふもふな黒猫がいて、ツンとしたまなざしでこっちを見ていた。


若干遠めの距離を挟みつつ見つめ返す。


近寄ったら逃げるかなー?



野良っぽい。


でも、黒猫ちゃん、すっげー美人じゃん。ちょっとナンパしようか。


何にせよ、先に買い物だ。


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