DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―
絶望、に撃ち抜かれた。
比喩なんかじゃなくて、ほんとに。
絶望。
凄まじいエネルギー量の思念が衝撃波になって、おれの体だろうが地面だろうが車だろうがビルだろうが、全部をぶち壊しながら突き抜けていった。
痛いなんて感じたのは一瞬だけで、あとはただ真っ暗になった。
で、おれも絶望した。
一応、生きてここから出ようと足掻いてたんだけど、思い直したんだ。
もうどーでもいいよね~、って。
このままグダグダ生きるより、さっさと終わっちまうほうが面倒くさくなくていいんじ
ゃないの、って。
「姉貴も、いねーんだし」
おれはつぶやいた。つぶやくことができた。
まだ体がここにあるんだなって気付いた。