DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―
投げ出したくて逃げ出したい自分を叱咤《しった》する。
煥がおれをかばうために前に出ようとしたけど、腕を横に掲げて、待ったをかける。
「ここはおれの戦場だから」
「でも」
「物理的にぶちのめせばいいだけなら、あっきーと海ちゃんに丸投げするんだけどね~。ま、最終的にそうなる可能性もあるわけで、そんときはよろしく」
大丈夫だ。おれはまだ、笑ったふりをしていられる。
おれは、自分と四獣珠にだけ聞こえる声でつぶやいた。
【強がってみせろ、理仁。みんな見てんだぜ。ダセーことはできねぇだろ?】