DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―
「三つ目、あんたはおれのチカラについて嘘をついた。ガキのおれが癇癪《かんしゃく》を起こして号令《コマンド》のチカラでわめいて人に気味悪がられて独りぼっちになったとき、
そんなことがたびたびあったけど、そのたびにあんたはおれのチカラを『悪い子にしていた罰だ』って言った」
だから、おれは自分が悪い子なんだと信じ続けていた。
いい子にならなきゃいけないって、一生懸命だった。
呪いみたいなチカラは、それでもおれに付いて回った。苦痛だった。
どーせおれは悪い子だし? なんていうふうに開き直ったの、いつだったっけ。
へらへら笑いの仮面で、何事にも手を抜くようになって、どんどん悪い子になるのがわかって自分のチカラを呪って、こんな自分で生きてるのがつらかった。