DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―
「うまくいく人って、どうしてうまくいくんでしょう? 鈴蘭もリアさんも胸がおっきいから?」
「あー……」
「何でそこはフォローしてくれないんですか!」
スミマセン。
でも、女性への免疫があんまりない煥や海牙がうっかり巨乳に視線を持ってかれてんのは事実だもんな。
それはもう弁解の余地がない。
おれはテーブルに身を乗り出して、紙ナプキンで、さよ子の口元のムースとチョコレートを拭った。
「個人的見解なんだけど、胸のサイズは正直、どっちでもいい。ほんっとに、どのくらいの大きさでも全然問題ない」
「嘘。どのくらいの『大きさ』でも、っていう言い方自体、それなりのサイズを期待してるじゃないですか」