DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―
「ふざけた呼び方するんじゃねえ。あんたのことは兄貴から聞いてる。会ったのは初めてだけどな」
「フツーにしゃべってても、声、すっげーキレイなんだね~。顔もかなりキレイだけどさ。モテるっしょ?」
「知らねぇよ」
「おっ、否定しないわけだ。モテモテなのをいいことに遊ぶタイプじゃないにせよ、美少女に囲まれるのは悪い気分じゃないよね?」
煥は眉間にしわを寄せて舌打ちした。
サラサラの銀髪。バカデカい真珠みたいな、額の胞珠。
おれは、煥にだけ聞かせるテレパシーでささやいた。
【額の胞珠、隠しもせずにさ、身の危険を感じたりしねーの? 体積だけで言って、一般人の胞珠の数十倍。
でも、エネルギー増幅器としての機能は、体積に比例すんじゃなくて、もっと凄まじい増加率っていうじゃん? あんまり無防備だと、狩られるよ】