DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―
代わりを探したって、むなしいだけだ。
姉貴以上に執着できるモノなんて、世界じゅうどこにも存在しない。
世界は記号だらけになっちまった。
おれのチカラで支配できるか否かのマルとバツ。
大半はマルで、バツの中に何種類かの記号がある。
唯一の親友って記号。ターゲット的な美少女って記号。
おれと同じ異能者って記号。相容れない敵って記号。
おれ、という記号。
へらへら笑った仮面の下の、冷めてて投げやりな思考。
ほしいものを永遠に失った、絶望というよりは空虚。
自分から死のうとは思わないけど、もうすぐ終わるんだとしても、どうだっていい。
惜しむ理由なんてない。