大好きな先輩は隠れ御曹司でした
嘘をつけなくて正直に話すと、愕然とした岡澤が大きな声で問いただしてきた。

「う、うん」

あまりの迫力に、光希はこくんと頷くのが精一杯だ。

「そっか……。そうだよな、電話の光希の様子おかしかったもんな」

がっかりと項垂れつつ、納得した岡澤が大きく息を吐く。

「ごめんな。光希の事だから、きっと色々聞きたくても聞けなかったんだよな。あのさ、俺の説明、聞いてくれる?」

説明なのか言い訳なのか。どちらにしろ話は聞きたいと、光希は岡澤を見つめたまま小さく頷く。

すると、岡澤の表情が目に見えて安堵した。

「やっぱり、来て良かった。連絡取れないし、もしかしてと思ってさ。外野から色んな噂聞かされたにしても、俺から光希にちゃんと説明したかったんだ」
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