大好きな先輩は隠れ御曹司でした
ますます解らない。光希と別れず、清花と結婚するという事だろうか?

「先輩、二股……」

「な訳ないでしょ。俺を何だと思ってるの」

本気でむっとしたらしい岡澤が結構な力で光希の両頬を引っ張った。

「ヒ、ヒタイっ!」

全力で逃げた光希は涙目になりながら、真っ赤になった頬を両手で覆う。

「これくらい当然。俺のこと、見くびった罰だからね」

「見くびってなんか……」

「いーや、見くびった。完全に見くびった。俺の事、周りの意見に左右されて条件で結婚相手選ぶような男だって言ったんだからね」

「ちがっ……そんな意味じゃ」

「じゃあどんな意味だよ。大体さ、清花さんがどんな女性かって事と、光希がどんな女性かって別問題でしょ?」

「そう……ですか?」
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