大好きな先輩は隠れ御曹司でした
4.
「爛れた生活を送ってしまったかも……」

月曜日の朝、いつもの駅で降りて会社まで歩く間に反省にならない反省の言葉を呟く。

金曜日の夜から日曜日の夜まで、岡澤と2人でずっと、ただただまったりと時間を過ごした。

アパートの部屋を出たのは、食料の調達に近所のスーパーに一回行っただけ。それ以外はテレビを見る時でさえもくっついていたなんて、半月振りの逢瀬だとしてもバカップル過ぎるだろう。自分で振り返って赤面してしまう。

しかもベッドにいた時間の長さを考えると……大人の分別があったとは言えない。

でも幸せだった。凄ーく幸せだったのだ。
気を引き締めないと、仕事中に顔が緩んじゃないかと心配になるくらい。

だから、施設資産管理課のオフィスに入る前に頬をムニムニと揉んで表情を整えたのに……。



「おはよー。冴島ちゃん、やっぱり朝からご機嫌ねー」

「ーーーおはようございます」

ニヤリと人の悪い笑みを浮かべる静香さんに撃沈だ。
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