大好きな先輩は隠れ御曹司でした

静香さんが顎を上げて、勝ち誇ったように言うから、２人で吹き出してしまった。

「でもさ、真面目な話、そろそろなんじゃない？」

「公表する時期、ですか？」

「そう。その方が岡澤主任の為にも、主任に恋してる女子の為にもいいと思うよ」

「そういうもんですか」

「そういうもんです。傷付きたくなくて自分を守ってる事が、相手を傷付けちゃう事もあるからね」

「ーーーはい。肝に銘じます」


光希が大切だと素直に表現してくれる岡澤の為になると言われると、光希も弱い。でも決断しようとするともう少し、もう少しと足掻いてしまうのだ。


「ーーー静香さん。どうやったら自分に自信が持てるようになりますかね？」

岡澤への罪悪感といつまでも弱気な自分への嫌悪感をなくす為にも、この会話が良い機会になるんじゃないだろうか？

ふとそんな考えが浮かんで、堪らず静香さんに尋ねた。