大好きな先輩は隠れ御曹司でした
「静香さん。海外営業部行くんですが、ついでに持っていく書類ありますか?」
準備する手を止めずに隣の席の静香さんに声をかけても返事がない。不思議に思って、顔を向けて、後悔した。
「ーーー何、笑ってるんですか」
「いやー、別にぃ?冴島ちゃんは相変わらず、岡澤主任に厳しいなぁと思っただけだよ?」
「別に、岡澤主任に厳しいわけじゃないですよ。自分より二十近く年上の課長に無理を頼むのは、それが誰でも良くないと思うだけで」
「そう?」
「そうですよ。大体……」
「まぁさ、私は冴島ちゃんの身内に厳しいトコ、嫌いじゃないけどね。でも今回は仕方ないんじゃない?岡澤主任も急に言われたんだし」
「ーーー分かってます。あと、身内じゃないです」
「はいはい。じゃ、これお願いね。誰か事務の人に渡しといてくれたらいいから」
あしらわれて、むくれながら、静香さんから書類を受け取った。『次の監査の日程を社内のデータベースで確認してください』という掲示物だ。
準備する手を止めずに隣の席の静香さんに声をかけても返事がない。不思議に思って、顔を向けて、後悔した。
「ーーー何、笑ってるんですか」
「いやー、別にぃ?冴島ちゃんは相変わらず、岡澤主任に厳しいなぁと思っただけだよ?」
「別に、岡澤主任に厳しいわけじゃないですよ。自分より二十近く年上の課長に無理を頼むのは、それが誰でも良くないと思うだけで」
「そう?」
「そうですよ。大体……」
「まぁさ、私は冴島ちゃんの身内に厳しいトコ、嫌いじゃないけどね。でも今回は仕方ないんじゃない?岡澤主任も急に言われたんだし」
「ーーー分かってます。あと、身内じゃないです」
「はいはい。じゃ、これお願いね。誰か事務の人に渡しといてくれたらいいから」
あしらわれて、むくれながら、静香さんから書類を受け取った。『次の監査の日程を社内のデータベースで確認してください』という掲示物だ。