大好きな先輩は隠れ御曹司でした
「ーーーありましたね、そんな事」
軽くこめかみを押さえた光希を見て、静香さんはまた笑い声を上げる。
「でもさ、そんなツメの甘さでよく五年も秘密にし通せたわね」
「ツメが甘いんじゃないですよ。ただ、静香さんが鋭過ぎるだけです」
「ふふっ。あとは二人がお人好しだから?」
「かもです」
光希は説明していなかったし、岡澤だってまさか、光希が子連れで外食出来る店を静香さんに報告しているとは思ってなかったのだろう。ただただ、善意で話しただけなのだ。
光希の大事な先輩だから、という思いもあったかもしれないが。
善意と善意が合わさって秘密がバレちゃうなんて、よく考えると自分達は間抜けじゃないだろうか?と軽い落込みが続く光希を尻目に、静香さんが「思い付いた!」と眼を輝かせた。
「それを利用したらいいんじゃない?」
「それ、ってどれですか?」
「だから!二人で食事に行くのよ」
「はぁ……」
軽くこめかみを押さえた光希を見て、静香さんはまた笑い声を上げる。
「でもさ、そんなツメの甘さでよく五年も秘密にし通せたわね」
「ツメが甘いんじゃないですよ。ただ、静香さんが鋭過ぎるだけです」
「ふふっ。あとは二人がお人好しだから?」
「かもです」
光希は説明していなかったし、岡澤だってまさか、光希が子連れで外食出来る店を静香さんに報告しているとは思ってなかったのだろう。ただただ、善意で話しただけなのだ。
光希の大事な先輩だから、という思いもあったかもしれないが。
善意と善意が合わさって秘密がバレちゃうなんて、よく考えると自分達は間抜けじゃないだろうか?と軽い落込みが続く光希を尻目に、静香さんが「思い付いた!」と眼を輝かせた。
「それを利用したらいいんじゃない?」
「それ、ってどれですか?」
「だから!二人で食事に行くのよ」
「はぁ……」