大好きな先輩は隠れ御曹司でした
「凄く格好良い人なんだけどね、一番好きだなって思うのはそこじゃないの。一緒にいて力が抜けるっていうか、自然体でいられて。彼が好きでいてくれるから自分に自信が持てるの」

言いながら、岡澤を好きな理由を言葉にしたのは初めてだと気付く。

光希は改めて自分がどれだけ岡澤に溺れているのかと驚いた。自分の存在意義さえも岡澤頼りなんて、大人としてどうだろうと恥ずかしくもなる。

「同じ会社の人なんだけど、彼に釣り合ってないような気がして、まだ社内では内緒にしてるの」

「光希さんはこんな魅力的なのに?」

「ありがと。実はね、彼もそう言ってくれるの。でも私が自分に自信がなくて待ってもらってる状態で……」

「彼氏さんは光希さんの準備が出来るまで待っててくれるんですね」

「甘えちゃって有難いし、申し訳ないけど。でも私の気持ちを優先してくれてるのは、正直嬉しいかな」
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