大好きな先輩は隠れ御曹司でした
ただなんとなく、今日はなんとなく聞いてみようと思ったのだ。けれど、岡澤の答えは光希の想像外だった。

「もしかすると、なんだけどさ。あるかもしれないな、海外赴任」

「イギリスに、って事?」

「まぁ、そうなるとしても一年後とかだろうけど」

答えながら、反応を伺うように光希の顔を見つめる岡澤の顔はどことなく不安げだ。

「ーーーそう」

でも光希もどう返事したら正解なのか分からない。素っ気なく答えて、食事の準備に戻った。それを聞いた岡澤も何事もなかったように、スーツケースの片付けを再開する。





< 69 / 148 >

この作品をシェア

pagetop