大好きな先輩は隠れ御曹司でした
不機嫌に応じた光希に構わず、ただいまを繰り返した岡澤主任はそのまま近付いて、ぎゅっと光希を、抱きしめた。

「なっ!やっ……」

「しぃっ。大きな声出したら外に聞こえちゃうよ?」

「だったら、離してよ!」

「久しぶりに会えたのに?イヤだよ」

「だからって……誰か来たらどうするのよ」

「んー?ノックもしない人はいないから大丈夫でしょ」

「そうじゃなくって!」

「光希は嬉しくないの?」

「ーーーそれは嬉しいけど、さ」

「ならいいでしょ。やっと会えたんだから光希をチャージさせてよ」

ここまで言われたら、光希もそれ以上の抵抗は出来ない。だって最愛の彼氏なんだから。しかも、もう何年も付き合っている。

力を抜いて、コテンと岡澤の胸に身体を預けた。

「お帰りなさい、先輩」
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