大好きな先輩は隠れ御曹司でした
「光希さーん!」

だが、少し遅れてやってきた清花は真逆のテンションの高さで光希を驚かせた。おっとりお嬢様な清花は、嬉しい時でもこんな風に感情を弾けさせて喜んだりしないからだ。

「何!?清花ちゃん、いつもと違くない?」

「うふふっ。だって嬉しいのが止まらなくて」

ハートが飛びそうなその声から、光希はピンと来た。

「もしかして……」

「はい!お見合いしたんです。久し振りにお会いしたら更に素敵になってらして。私はもう、すぐにお話進めて下さいって」

頬を染めて話す表情はすっかり恋をしている。

屈託なく恋を喜ぶ清花に、光希も嬉しくなった。

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