大好きな先輩は隠れ御曹司でした
タイミングが悪すぎてため息が止められない。岡澤の気持ちを蔑ろにして何年も自分の希望を通してきた罰が当たったのかと、またネガティブな気持ちが胸に広がってしまう。

静香さんや清花に応援してもらって、せっかく勇気が出たのに……。

ふるふると頭を振って、光希は職場へと歩き出す。

ここでこれ以上悩んでも良い事はひとつもない。岡澤は連絡すると言ってくれたのだし、光希との付き合いを隠そうともしていない。まだオープンにする事を望んでいた。
前向きな気持ちになるにはそれだけで十分だ。

引っかかる棘を振り切るように、光希は顔を上げた。



⌘ ⌘ ⌘




岡澤からの連絡を待つなら早く家に帰ってしまいたい。食事もお風呂も済ませて、ちゃんと待っていたい。
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