大好きな先輩は隠れ御曹司でした

「うん」

それは最後の話し合いになるの？別れるために話し合うの？

喉を湧き上がる言葉が飛び出してしまわないように、光希は短く返事をした。



⌘ ⌘ ⌘



週末は本当に実家に帰るつもりだった。土曜日の朝イチから帰って久し振りに母親の手料理を食べ、うるさくもある愛情たっぷりのお小言を聞いてエネルギーを貯めるつもりだったのだ。

でも金曜日の夜、清花から来たメールで予定は変更になった。

「突然お誘いして大丈夫でしたか？ダメ元でメールしたんですけど」

待ち合わせに現れた清花は相変わらず可愛い。女子の光希でも庇護欲が出るほど。

「大丈夫だよ。何かあった？」