大好きな先輩は隠れ御曹司でした
「いえ、たいした事じゃないんです。恋愛してお付き合いするわけではないので、色々普通とちょっと違うなって」

「あぁ、そっか……そうだね」

何か話したげで、でも話す決心はつかないらしい清花に、いつもの光希なら悩みを聞こうとするのに。自分の恋人との恋愛相談かもしれないと思うと、流石に言葉が出なかった。

そのまま。なんとなく会話も止まり、これから実家に行くのだと光希が告げたのをきっかけに店を出た。

「清花ちゃんが結婚を決めたポイントってどこ?」

駅まで歩きながら、聞いてみる。

昔から憧れていたというなら、やっぱり容姿?それとも柔らかな物腰?
そんな上部の理由なら、このまま結婚しても岡澤は幸せにはなれないだろう。光希が止める理由になるかもしれない。
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