傷だらけの君は


ただ……


「あたし、なんのために生きてるんだろう」


なんの目標も、夢もない自分ははたして生きている意味があるのだろうか。



死にたいとは思わない。


だけど特段生きたいわけでもない。






「……足、痛いなぁ」


そんな呟きは誰に聞かれるわけでもなく、宙に消える。


居間から覗く満月は、星一つない黒い空にぽっかりと浮かんでいた。



< 10 / 253 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop